ある日突然に

かって経験したこともない地震だった
老いた猫とテーブルの下にかがみこんだ
物の倒れる音がする
窓ガラスのむこうを吊り下げたプランターが落ちる
テレビをつける
想像を絶する光景
津波にのみ込まれる車、家
見えないけど
そこに家庭が、親子が、ひとが、職場が
つい、いまさっきまで、あったはずなのだ

なぜ
とは、問うまい
ただただ
主を畏れた
  
テレビに報じられる所に住む
あのひと、このひと
を思う
祈ることしか
今は出来ないが